「仕事や勉強で眠いからエナジードリンクを飲む」
「疲れているときに飲むと元気になれる気がする」
「エナジードリンクって体に悪いの?」
このように、エナジードリンクを日常的に飲んでいる方もいるのではないでしょうか。
エナジードリンクは、眠気覚ましや気分転換などに利用される一方、カフェインを多く含む製品もあるため、飲み方には注意が必要です。
この記事では、管理栄養士の視点から、エナジードリンクに含まれるカフェインの量や、摂りすぎによって起こる可能性のある影響、飲むときの注意点について解説します。
エナジードリンクは危険なの?
まず知っておきたいのは、エナジードリンクを1本飲んだからといって、必ず健康に悪影響が出るわけではないということです。
エナジードリンクにはカフェインなどが含まれており、適量のカフェインには眠気を覚ます作用があります。
一方で、カフェインを多く摂りすぎると、めまい、心拍数の増加、興奮、不安、震え、不眠、吐き気などの症状が現れることがあります。
つまり、
「エナジードリンクそのものが危険」というより、「カフェインを含む飲料を量や組み合わせを考えずに摂りすぎること」に注意する必要があります。
エナジードリンクにはどのくらいカフェインが入っている?
ここはエナジードリンクを飲むときに、ぜひ確認してほしいポイントです。
エナジードリンクのカフェイン量は商品によって大きく異なります。
食品安全委員会によると、エナジードリンクなどの清涼飲料水では、100mLあたり32〜300mgのカフェインを含む製品があり、製品1本あたりでは36〜150mgという例が紹介されています。
また、商品によっては内容量が大きかったり、カフェイン量が多かったりするため、
「エナジードリンクなら全部同じくらい」
とは考えないほうがよいでしょう。
購入するときは、パッケージに表示されているカフェイン量を確認する習慣をつけましょう。
カフェインを摂りすぎるとどうなる?
カフェインには中枢神経を刺激する作用があります。
適量であれば眠気を覚ますなどの作用が期待できますが、摂りすぎると以下のような症状が現れることがあります。
- めまい
- 心拍数の増加
- 興奮
- 不安
- 震え
- 不眠
- 下痢
- 吐き気
厚生労働省や食品安全委員会も、カフェインの過剰摂取による健康への影響について注意喚起しています。
特に、
「眠いからもう1本」
「まだ疲れているからもう1本」
と続けて飲んでしまうことには注意したいところです。
エナジードリンクで特に注意したいのが「カフェインの重ね飲み」
エナジードリンクを飲むときに意外と見落としやすいのが、ほかの食品や飲料からもカフェインを摂取していることです。
例えば、
- 朝にコーヒー
- 昼に緑茶
- 午後にエナジードリンク
- 夜に眠気覚ましの飲料
というように、1日の中で複数のカフェインを含む食品を摂っていると、知らないうちに摂取量が増えてしまいます。
食品安全委員会も、エナジードリンクとほかのカフェインを含む食品を一緒に摂る場合には、カフェインが上乗せされることに注意するよう案内しています。
そのため、
「エナジードリンク1本だけなら大丈夫」
と考えるのではなく、1日のトータルでどのくらいカフェインを摂っているのかを見ることが大切です。
「カフェイン400mg」は誰にでも当てはまる?
カフェインについて調べていると、「健康な成人は1日400mgまで」という数字を見かけることがあります。
これは食品安全委員会が紹介している、欧州食品安全機関(EFSA)などの評価に基づく目安の一つです。
ただし、400mgを超えなければ必ず安全、400mgを摂っても問題ないという意味ではありません。
カフェインへの反応には個人差があります。
また、子どもや妊娠中・授乳中の方、カフェインに敏感な方などは、より注意が必要です。
厚生労働省も、子ども、妊婦、授乳中の方、カフェインに敏感な方について、エナジードリンクなどの利用に注意するよう案内しています。
エナジードリンクを飲むときに注意したい人
子ども
子どもは大人と比べて体格が小さいため、同じ量を飲んでも体重あたりのカフェイン摂取量が大きくなる可能性があります。
食品安全委員会では、子どもについて体重あたりの摂取量を考慮した情報も示されています。
そのため、特に子どもがエナジードリンクを習慣的に飲むことには注意が必要です。
妊娠中の方
妊娠中もカフェインの摂りすぎには注意が必要です。
食品安全委員会は、妊娠中のカフェイン摂取について注意を呼びかけています。
エナジードリンクを飲む場合は、商品のカフェイン量を確認し、ほかのカフェインを含む飲料との重複にも注意しましょう。
カフェインに敏感な方
カフェインを摂ると、
「眠れなくなる」
「動悸がする気がする」
「落ち着かなくなる」
などの反応が出る人もいます。
このような場合は、一般的な目安量だけを見るのではなく、自分の体調を基準に摂取量を調整することも大切です。
夜にエナジードリンクを飲むのは?
「夜に仕事や勉強があるからエナジードリンクを飲む」
という人もいると思います。
しかし、カフェインには眠気を覚ます作用があるため、夜遅い時間に摂取すると睡眠に影響する可能性があります。
せっかく疲れを取るために寝ようとしているのに、カフェインによって眠りにくくなってしまっては本末転倒です。
特に、
「エナジードリンクを飲まないと眠気に耐えられない」
という状態が続いているのであれば、飲料だけで解決しようとするのではなく、睡眠時間や休息、生活リズムについても見直してみましょう。
エナジードリンクとお酒の組み合わせにも注意
エナジードリンクとアルコールを一緒に飲むことにも注意が必要です。
カフェインによる興奮作用によって、アルコールによる酔いを感じにくくなる可能性があり、結果として飲酒量が増える可能性があります。
また、食品安全委員会は、カフェインとアルコールにはともに利尿作用があるため、脱水状態につながる可能性についても注意を促しています。
エナジードリンクとお酒を組み合わせることは避けるのがおすすめです。
エナジードリンクを飲むなら、ここをチェック
エナジードリンクを完全に禁止する必要はありません。
大切なのは、「何となく飲む」のではなく、成分表示を確認して利用することです。
チェックしたいのは次のポイントです。
① カフェイン量
まずはカフェインが何mg入っているのか確認しましょう。
商品によって量が異なるため、必ず商品の表示を見ることが大切です。
② 内容量
「100mLあたり○mg」と表示されている場合は、実際に飲む量に換算して考えましょう。
例えば100mLあたり50mgで、500mL飲料なら、単純計算で250mgになります。
③ ほかのカフェイン
コーヒー、紅茶、緑茶などにもカフェインは含まれています。
1日の中でほかのカフェイン飲料を飲んでいないか確認してみましょう。
④ 飲む時間
夜に飲むと睡眠に影響する可能性があります。
「眠気を覚ましたい」という目的だけで夜遅くに飲み続けるのはおすすめできません。
管理栄養士としての考え
エナジードリンクは、飲んだだけで健康を害する飲み物というわけではありません。
一方で、「疲れたらエナジードリンク」「眠かったらエナジードリンク」と習慣的に頼ることには注意したいと考えています。
エナジードリンクを飲むことで一時的に眠気を感じにくくなることはあっても、睡眠不足や疲労そのものが解消されるわけではありません。
特に、
「毎日何本も飲んでいる」
「飲まないと仕事や勉強ができない」
「夜遅くまで起きているため、毎日エナジードリンクを飲んでいる」
という場合は、一度生活習慣そのものを見直してみることをおすすめします。
また、エナジードリンクは商品によって糖類などの量も異なります。
カフェインだけを見るのではなく、栄養成分表示全体を確認する習慣をつけるとよいでしょう。
まとめ
エナジードリンクは、適切に利用するのであれば必ずしも避けなければならない飲料ではありません。
しかし、カフェインを多く含む製品もあるため、飲みすぎや「重ね飲み」には注意が必要です。
今回のポイントをまとめると、
- エナジードリンクのカフェイン量は商品によって異なる
- カフェインを摂りすぎると、めまいや動悸、不安、不眠などが起こることがある
- コーヒーやお茶など、ほかのカフェインとの重複に注意する
- 子ども、妊娠中・授乳中の方などは特に注意する
- 夜遅くの摂取は睡眠への影響にも注意する
- アルコールとの組み合わせは避ける
- 飲むときは商品の栄養成分表示・カフェイン量を確認する
「エナジードリンク=危険」と決めつけるのではなく、どのくらいカフェインを摂っているのかを知ったうえで、上手に付き合うことが大切です。
眠気や疲労が続いている場合は、エナジードリンクに頼るだけではなく、睡眠や休息、食事など生活習慣全体を見直してみましょう。
参考文献
消費者庁「食品に含まれるカフェインの過剰摂取について」
消費者庁|食品に含まれるカフェインの過剰摂取について
厚生労働省「食品に含まれるカフェインの過剰摂取についてQ&A」
厚生労働省|カフェインの過剰摂取についてQ&A
食品安全委員会「食品中のカフェインについて」
食品安全委員会|食品中のカフェインについて